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理事長コラム

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待ったなしの地球温暖化、サステナブルの観点からの「現場力」発揮を

 ここのところの気候を見ていると2週間ほど前倒しで気温が上がり季節の移り変わりが早まっている気がします。今年の冬は暖冬でした。これまでの考えだと、地球温暖化と言っても100年に1〜1.5℃上がる感覚だったので、夏が暑ければ、冬が寒くバランスが取れていて、1年間では0.01℃程度でそんなに上昇しない、という形で温暖化は徐々に進んできました。 
 だから、私は去年の夏が長く暑かったので、冬はかなり寒くなるだろうと思っていましたがそうでもなく、実際に暖かい日が多くなった。こうした状況を見ていると地球温暖化は待ったなしで進んでくるような印象を受けます。
 これをスーパーマーケット業界から見ると、気温が上がっているので、その上がり方に応じた商品を提供していくことが大事です。例えば、「3月初旬にはこうした企画を打つとか」、していますが、それがおそらく2週間くらい前倒ししないといけなくなると思われます。
 昨年の事例を前提に組み立てているMDは、前倒しを意識しながら企画していかなくてはならない。例えば、今年の夏は昨年以上に暑くなるかもしれず、当然暑さ対策商品も必要ですが、暑さによって人間の体が要求するものが違ってくるので、それに適う商品の手当てをしていく必要があります。去年と今年は違うという感覚で臨んでいかないと営業がうまくいかなくなると思います。
 SDGSの観点からは、化石燃料を使わないで、環境を維持していく取り組みが必要になります。プラスチック製品の見直し、あるいは紙トレー、カトラリーなど容器・備品の見直しも必要になって来ます。レジ袋は有料化が進み、プラスティックの使用量は減ってきているし、生分解プラスティックの使用は進んできています。しかし、その他のプラスティックの削減は進んでいません。
 SDGSの面でもこのように変化してきていますが、そうした業界動向を良く見ながら行動しないといけないと思います。例えば、先ごろスーパーマーケット・トレードショーが開催されましたが、そうした展示会でどんな展示が行われていたのかを念頭に置きながら販売に使用する容器とか販売方法を考えて、どうしたらSDGS対応になるのか、あるいは環境にやさしい行動になるのか考えるのも必要だと思います。
 南北問題といわれ、これまで経済を支えてきた国々が豊かになってきて食べる量、使うものも変ってきている。皆で長くサステナブルにやっていくためには、それぞれが倹約し合ってやっていかなくてはいけない。そうした観点に立って我々の行動を見直していく必要があります。
 特に食品廃棄量の削減も考えないといけない。例えば恵方巻、どれだけ廃棄があったのか。去年に比べ少なくなっているのか、増えたのか、細かく検証しながらロスを減らしていく。今までは荒利確保のためのロス対策だったが、地球全体のことを考えて減らさなければならない。そのような観点からロスに対する考え方を変えないといけない。
 我々はどうしても競合店より同じかもしくは安くしようという価格競争の意識が頭にありますが、SDGSの観点で考えれば、競合店よりいかにロスを少なくするかという競争になります。
 そうすると店内での製造量とか消費期限とかを強く意識して、より早く値引いて売るとか、従来のやり方が見直されていくことになります。これは現場でしかできないことです。現場の創意工夫、現場の知恵を集めて実行する「現場力」が問われます。こうした「現場力」をサステナブルにしていくことが重要です。ただ荒利の追求だけというのではなく、もっと広い意味でロス問題を捉えて、現場の人たちと共に現場力をより発揮して頂いて、サステナブルな環境になることを共に進めていきたいと考えています。